破魔矢って知ってますよね?
そう。
初詣の時に買うことが多い破魔矢です。
ですが、実はこの破魔矢。
初詣以外でも使うことがあるんです。
家を新築した時の、上棟式に使ったり。
男の子の初節句の贈り物にしたり。
でもそもそも、破魔矢って何なんでしょう?
飾り方や決まり事って?
今回は、男の子の初節句の破魔矢はどうしたら良いのか?
それを主として、お話しします。
破魔矢って何?その意味と由来
破魔矢とは、
その名の通り、魔を破る矢。
前回の記事でお話しした、
初節句の定番である鎧や兜飾りは、
災厄から身を守ってくれるもの。
それに対して破魔矢には、
悪いものを射抜いて破壊してくれる
という役割があります。
まあ、魔除けや厄払いをするお守り
という括りで考えたら同じなんですけど ^^;
でもでも! よく考えてみて下さい。
矢だけじゃあ、使えませんよね?
実は、破魔弓も存在しています。
男の子の初節句では、
破魔弓と破魔矢をセットで飾ることが正式な贈り物と
されているんですよ。
この破魔矢の由来は、
日本の弓道から来ています。
弓道で用いられている矢のことを浜矢と言って、
この名前が由来なんですね。
そしてこの浜矢(的)を射るための弓のことは、
浜弓と呼ばれていました。
なぜこんなふうに名前が変化したのか?
その由来はけっこう新しい。
ちょっと昔、破魔矢奉製所という会社が、
弓道での浜矢に目を付けたのがキッカケ。
浜=会社名=破魔 という呼び方と通じるということで、
もじって登録商標をしていたのですが。。。
実は、この会社。
登録商標の更新を怠ってしまったんですね ^^;
そのため、一般的にどこでも破魔矢という名称が
使われることになってしまいました。
由来は実は、後付けなんですよ。。。
破魔矢は誰が用意するもの?
こちらの記事でもお話ししましたが、
男の子の初節句で使う道具は、
父方の実家が用意するという風習が一般的。
特に地方では、このような風習がまだまだ残っています。
- 男の子:父方の実家(跡取りという考え方から)
- 女の子:母方の実家(嫁に出すという考え方から)
ただ最近では、
どちらか片方の家ばかりが費用を出すと、
かなり負担が大きくなってしまうということで。
両家で折半したり、
お祝い事によって順番に負担したりする家族も
増えてきています。
都市部では、パパママが自分たちで用意するケースも
増えてきていますね。
破魔矢の飾り方って?
お正月に、お寺や神社で授与される破魔矢とは違い、
初節句では、ガラスケースに入ったものを用意します。
飾っておく期間は、
初節句での兜飾りと同じ期間に飾ることが多いのですが、
最近のご家庭では、通年飾っておくことも
増えてきているようです。
女の子の初節句で飾る雛飾りとは違い、
男の子は、「行き遅れる」と言われることはないため、
このように変化してきているのでしょう。
次に、この破魔矢の飾り方。
宗派によって、色々とあるようですが、
初節句での一般的な方法をご紹介しておきます。
基本的には、こちらの飾り方にしておけば、
間違いありません。
- 凶の方角に矢の先を向けて、頭上より高い位置に飾る
- 置く場所は、神棚や床の間
凶の方角に矢の先を向ける意味は、
凶を射抜くという意味から。
頭上よりも高い位置に飾る意味は、
神様を見下ろさないという意味から来ています。
おじいちゃんやおばあちゃんの家を、
思い出してみて下さい。
神棚、なぜか上の方にありませんか?
わたしも小さい時は、
「どうしてあんな所にあるんだろう・・
見えないなぁ〜」
と疑問に思っていましたが。
実はこんな意味があったんですねっ!
凶の方角一覧表
凶の方角は、毎年の干支によって決まっています。
2015年から順番に紹介しておきますので
参考にしてみて下さいね。
- 2015年(未年) : 30度=丑の方角(北北東)
- 2016年(申年) : 60度=寅の方角(東北東)
- 2017年(酉年) : 90度=卯の方角(東)
- 2018年(戌年) : 120度=辰の方角(東南東)
- 2019年(亥年) : 150度=巳の方角(南南東)
- 2020年(子年) : 180度=午の方角(南)
- 2021年(丑年) : 210度=未の方角(南南西)
- 2022年(寅年) : 240度=申の方角(西南西)
- 2023年(卯年) : 270度=酉の方角(西)
- 2024年(辰年) : 300度=戌の方角(西北西)
- 2025年(巳年) : 330度=亥の方角(北北西)
- 2026年(午年) : 360度=子の方角(北)
破魔矢は1年で交換しよう
破魔矢の効果ですが、1年しかもちません。
1年経ったら授与してもらったお寺や神社に交換してもらいに行きましょう。
自宅の近所にあるような、小さなお寺や神社なら、
住職さんなどに話して、
交換してもらえば問題ありません。
大きなところなら、境内に設置されている、
古いお札やお守りを納める所があるはずなので、
そこに納めれば良いでしょう。
ここ最近、初節句で破魔矢まで飾ろうと思う人が
減ってきています。
でも、一つ一つのお祝いを
しっかりと準備するということも大切。
子どもの健康と立身出世をお祝いしながら、
わたしたち大人が、
日本の伝統行事を受け継いでいく意識を
していきたいものですね。
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