歌舞伎という、伝統芸能の世界。
もし、一般の人がプロを目指そうとするなら?
どうすれば良いのでしょうか?
今のところ、日本芸術文化振興会が主宰し、
国立劇場に付属する『伝統芸能伝承者養成所』で、
芸を学ぶしか方法はありません。
歌舞伎界の外からスーパースターになった例としては、
「玉三郎」がいます。
ですが、彼のようなケースは50年か、
どれだけ短くても、30年に1人だろうと言われています。
養成所での研修は、全日制の2年間で、
- 歌舞伎実技
- 立廻り・とんぼ
- 化粧・衣装・かつら
- 日本舞踊
- 義太夫
- 長唄・三味線
- 鳴物
- 箏曲
- 発音・発声
- 作法
などを学びます。
私は、玉三郎のファンで何度か舞台を観ましたが、
それは妖艶でウットリします。
二代目 市川春猿(屋号は澤瀉屋)も1988年、
国立劇場第9期歌舞伎俳優研修を修了後、
初舞台を踏んでいます。
次代を担う女形のひとりと言われるだけあって
美しいですよ!
玉三郎と春猿の2人舞台を観たことがあるのですが
まるで天女のようでした!
少し大げさかもしれませんが・・・ ^^;
二代目 市川笑也(屋号は澤瀉屋)も
歌舞伎とは縁のない一般家庭に生まれました。
1978年3月、八戸工業大学第一高等学校を卒業後、
国立劇場歌舞伎俳優養成所に入学。
2年間の研修を修了後、
同年4月国立劇場『絵本合法衢』の中間で
本名の泉山太男を名乗って初舞台。
翌年三代目市川猿之助の門下となり、
二代目市川笑也を襲名しました。
ただ、スターまで上り詰めた彼らでも、
幼児の頃から芸をたたき込まれている
歌舞伎界の子供たちに比べると、
どうしても、稽古の質にも量にも差が出てしまいます。
ですので、スターになれるのは一握りになってしまうんですね。。。
また梨園と呼ばれる世襲制の世界には
独特の雰囲気があります。
これも、養成所出身の歌舞伎俳優では、不利になってしまうんです。
でも、新しい風が入るのは良い事ですよね!
養成所の皆さんにも頑張って欲しいです。
★歌舞伎の基礎!主な劇場と屋号!
◆歌舞伎の代表的な劇場は?
①歌舞伎座
「歌舞伎座」は、東京都中央区銀座四丁目にある
歌舞伎専用の劇場です。
火災や戦災など様々な変遷はありましたが、
今日に至るまで名実ともに代表的な歌舞伎劇場として
知られています。
②南座
南座は京都府京都市東山区にある劇場。
正式名称は京都四條南座(きょうとしじょうみなみざ)。
松竹が経営しています。
私は関西なので、京都南座に行きます。
◆歌舞伎の主な屋号
歌舞伎役者の屋号は、
江戸時代の始め頃に商人にならって、用いるようになったとの事。
市川宗家の「成田屋」が始まりと言われています。
❖音羽屋(おとわや)…尾上菊五郞、尾上菊之助、坂東彦三郞、尾上松也
❖澤瀉屋(おもだかや)…市川猿之助、市川團子、市川龜治郞、市川笑也、
市川春猿、市川猿弥、市川中車(香川照之)
❖柏屋(かしわや)…中村勘三郞(初代〜十四代目)、中村勘九郞(初・二・三・四代目)
❖髙麗屋(こうらいや)…松本幸四郞、市川染五郞、松本金太郞
❖成田屋(なりたや)…市川團十郞、市川海老藏
❖松嶋屋(まつしまや)…片岡仁左衞門、片岡秀太郞、片岡孝太郎、片岡愛之助
「成田屋!」とか芝居の合間に、声をかけたりするのが、
粋なんですよ~。
ちなみに「隈取(くまどり)」は、
役者が自分で書き入れるものなので
一人一人形が違います。
歌舞伎の贔屓の中には、楽屋に絹本を持ち込んで
役者に隈取を写し取ってもらったものを収集する人もいるらしいです。
★演目や役者、座席での値段の違い
吉例顔見世興行東西合同大歌舞伎
*歌舞伎座の場合は、1年を通して料金はほぼ同じ。
- 1等席…18,000円
- 2等席…14,000円
- 3階A席…6,000円
- 3階B席…4,000円
- 1階桟敷席…20,000円
※チケットは必ず、事前に確認してください。
*南座の12月の「顔見世興行」の時は、1等席18,000円位です。
この12月京都「南座」の顔見世興行歌舞伎は、
京都の1年間の師走の年中行事の一つ。
ですから、完全なご祝儀相場の値段です。
この時は、京都祇園の舞妓さんや芸子さんたちも、
ちゃんと正装して観劇に来ます。
他の月は、南座は歌舞伎で、1等席で12,000円位です。
日本の歌舞伎の「顔見世興行」は、
- 10月は名古屋の御園座
- 11月は東京の歌舞伎座
- 12月は京都の南座
となっています。
京都南座の12月の『顔見世興行」は特別なんですよ。
歌舞伎は、各地の市民会館や文化ホールでも観ることができます。
近くに“襲名披露公演”などが来た時に、
手軽に歌舞伎デビューしてみてはいかがでしょうか!
顔見世は、演目も役者も豪華です。
着物で行かれるのも良いですよ。
★安く購入する裏技のような席って?
「一幕見席(ひとまくみせき)」。
通称を幕見(まくみ)と呼ばれる、歌舞伎座の当日券システムがあります。
好きな幕だけを気軽に鑑賞できるのが、一幕見席。
常連さんや、歌舞伎を初めて観るお客様のための、
歌舞伎座ならではの人気席です。
演目や幕の長さ・内容によりますが、
一幕500円~2,000円程度が主流ですね。
一幕見席は歌舞伎座4階にあり、
椅子席:約90名、立見:約60名、合わせて約150名、
全てが自由席です。
この値段なら、試しに買っても良いと思いませんか?
歌舞伎座1階正面玄関にあるチケット売場で、
幕見席チケットを購入した後、
チケット売場裏手の幕見用エレベーターで
歌舞伎座4階まで上がります。
開演20分前までには、4階ロビーに行ってください。
まずは、気軽に歌舞伎を体験してみるには良いシステムですね。
一度、歌舞伎という日本の伝統を体験してみましょう!