ちゃんと定期的に、
健康診断を受けていらっしゃいますか?
職場での年一回の健診は
ちゃんと受診されていると思いますが、
もう少し詳しい検査を希望した場合、
特定健診、人間ドックなどの申し込みが必要となります。
私は、以前この特定健診で胃のバリウム検査を受け、
とても苦しい思いをしました。
その後は、胃カメラを選択して受診しています。
今年、何気なくバリウム検査の医療事故記事を読み、
「あの時そのままにしていて、何だかもやもやとしていたなあ…」
と思い出したのを機に、
ちゃんと調べて、記事にしてみることにしました。
バリウム検査の危険性は?
現在の日本では、胃がんによる死亡者数は
年間5万人以上、男女共に死亡原因の2位を占めています。
ですが胃ガンは、早期発見さえ出来れば
治癒率は約90%を超えると言われています。
健康診断で、胃や食道の早期癌を発見することが
とても大切なのです。
方法としては、
胃バリウム検査が、多くの病院で採用されてきました。
バリウム検査の歴史は古く、
X線発見の翌年である1896年に、イタリア人Duttoが、
死体に石膏剤を注入して撮影した事が始まり、
と言われています。
バリウムの語源は、
ギリシャ語の「重い」に因んで(ちなんで)
命名されているのだそうです。
この検査方法は、日本では1953年に
研究者により2重造影法が開発され、
飛躍的に発展しました。
現在では、国の推奨も有り、
多くの人々が選択しています。
でも、、、
そもそも、バリウムとは一体何かご存じでしょうか?
バリウムとは?
辞書を調べると、
「アルカリ土金属元素の一、元素記号Ba、
銀白色で延性に富み空気中で酸化しやすく、常温で水を分解。
水にきわめて溶けにくい。
天然には重晶石として産出。
白色顔料やX線造影剤などに利用。
化学反応による合成品は医薬用に用いられる。
胃液や腸液に溶解せず、消化管から吸収されないので、
バリウムイオン起因の毒性はないとされる。」
とあります。
要約すると、
「胃の形や影などを外側から調べるために、
X線を通さない造影剤を飲みながら、
映写するために開発された鉱物化学反応合成物。」
そして、繰り返しますが、このバリウムは
「体内では吸収されず、消化管を通じて
糞便と共にすべて体外に排泄されるので安全」
なのだそうです。
バリウムのリスクと有用性が見直されている
しかし最近になって、そのリスクと有用性が
改めて見直されています。
その大きな理由の一つが、バリウムそのものではなく、
検査に伴う多量の放射線への被ばくの危険性です。
放射線の被ばく量は、
胸部X線写真の150~300倍と言われています。
1回の胃バリウム検査で、
ただちに発癌することはなさそうですが、、、
毎年この検査を受けると、DNAが徐々に傷ついて、
発癌に至る可能性は否定できないとの事。
でも、胃バリウム検査が胃カメラ検査と比較して
例外的に優れている点もあります。
①進行癌の浸潤範囲が客観的に評価できること、
②スキルスと呼ばれる胃壁を這う(はう)ように進行する
特殊な胃癌を見つけやすいこと、
これらは除外できないと言います。
(アメリカに限っていえば、
検査の費用が胃カメラ検査に比べて安価だそう。)
私は二度とバリウムは受けません
話を私ごとに戻します。
私も、特定検査で胃カメラは苦しそうだったので、
胃バリウム検査を選びました。
検査前の注射で、
瞳孔が開いたままのせいか、眼は良く見えず、
もともとお腹が弱いせいか、下剤が利き過ぎて、
病院にいる間にすでに腹痛が始まり、トイレに直行。
脂汗をかきながら、自宅にたどり着いても、
腹痛が治まらず、、、
結局病院に電話をいれました。
対応は、そのうち治りますからと冷たいものでした。
数時間後に、やっと楽にはなりましたが、
不安でしたし、その後2~3日腹痛が続きました。
私は、バリウムが合わない体質だと自己判断したので、
今後は2度と受けません。
(被ばく量はそれほど気にしていません。)
硫酸バリウム医薬品添付文書情報があったので、
一部を転記しておきます。
禁忌
次の患者には投与しないこと
・消化管の穿孔又はその疑いのある患者
[消化管外(腹腔内等)に漏れることにより、
バリウム腹膜炎等の重篤な症状を引き起こすおそれがある。]
・消化管に急性出血のある患者
[出血部位に穿孔を生ずるおそれがある。
また、粘膜損傷部等より硫酸バリウムが
血管内に侵入するおそれがある。]
・消化管の閉塞又はその疑いのある患者
[穿孔を生ずるおそれがある。]
・全身衰弱の強い患者
・硫酸バリウム製剤に対し、過敏症の既往歴のある患者
[ショック、アナフィラキシーがあらわれることがある]
これを先に読んでいたら、
私は胃カメラ検査を選択していたと思います。
ある医師の話です。
「バリウム検査だけで、
早期胃癌などの微小な病変を検出することは難しく、
胃炎など、粘膜の色調の変化しか示さない病変は
見逃されやすい。
また、食道の微小な病変についても
見逃されてしまうことが多い。
そして、胃バリウム検査で異常が見つかった場合、
結局はまた胃カメラ検査を行うという、
2度手間になってしまう。
これならば、最初から胃カメラの方がよいでしょう!」
と言うことです。
「厚労省も、胃カメラを推奨する方針を打ち出しました。」
というのは、今年の読売新聞でしたか?
つい2年前はバリウム推奨していたので、
変わってきましたね。
さて、長くなりましたが、
胃カメラ検査でも事故は有ります。
どの検査をいつどの施設で受診するかは、
あなた次第です。
情報を知った上で、上手に選択してほしいと願っています。
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