ドイツの大手車メーカーであるフォルクスワーゲン社が、
大きく揺らいでいます。
その理由は、アメリカでのディーゼル車の排ガス規制を
不正に逃れていて、それがバレたから。
現在、欧州でも同じ不正を行っていた事を、
ドイツの運輸省が発表しました。
アメリカでは、他の自動車メーカーも調査するとして、
世界規模での大きな問題に発展してきています。
でもどうして、不正操作なんか出来るんでしょうか?
素人目で普通に考えてみると、
検査する車(エンジン?)だけを良くしていたようにしか、
考えつきません。。。
今回は、車の排ガス規制やディーゼルエンジンについて、
出来るだけ簡潔に、お話ししたいと思います。
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フォルクスワーゲンのディーゼルエンジン偽装の仕組みとは?
どうやって不正操作して、
アメリカが定めている排ガス規制をクリアしたのか?
その方法は、簡単に言うとカンニング、
というか身代わり受験です。
排ガス試験の運転パターンはプログラム化されています。
フォルクスワーゲンでは、そのプログラムパターンを感知すると、
試験対策用のプログラムが動き出して、
排ガスを制御する、という仕組みです。
普段は使わないプログラムが動き出して、
試験対策をしていた、
という事なんですね。
問題は、
「各国が定めている試験基準に、不正をした」
ということ。
実は他の自動車メーカーも、
この試験基準、運転条件のみに対して、
排ガス規制をクリアするように、
エンジンを作っているんです。
だから、その基準外では、
排ガス規制なんてまったくクリアしていないんです。
例えて言うなら、
「時速60kmで1時間走ったときに、
排ガスが◯の量以内におさまったら合格」
「だけど、時速100kmで1時間走った時には、
ものすごく排ガスは出るけど、基準はないから関係なし」
って事。
実はこれ、何十年も前から行われている、
自動車業界の悪しき習慣。
試験モード以外での状態でまで、
排ガス対策をしている自動車メーカーは、
世界中に1社たりともいないんです。
なぜ?
理由は、コスト。
そこまで対策をしてしまうと、
車の販売価格が跳ね上がりすぎてしまって、
まったく売れなくなってしまうから。
これが良いのか?悪いのか?という判断は、
凄く難しいところなんんですが、
フォルクスワーゲン社は、
この「定められた試験を合格するため」に、
手を加えていた事が、大きな問題なんです。
排ガス規制!日本車のクリーンディーゼル車は大丈夫?
フォルクスワーゲン以外にも、
調査のメスが入るであろうディーゼルエンジン。
やっぱり気になるのは、
「日本の自動車メーカーは大丈夫なのか?」
という事ですよね。
実は、良くも悪くも、
日本はディーゼル後進国。
ディーゼルエンジンに関して言えば、
欧米の自動車メーカーから、かなり出遅れているんです。
だから、近年の厳しい排ガス規制を基準として、
開発が行われています。
それに加えて、日本の排ガス規制は、
アメリカの基準に近く、かなり厳しいもの。
欧州の排ガス規制は緩いのですが、
厳しい排ガス規制を基準に作られています。
ハッキリと言い切る事はできませんが、
結果としては、
日本の自動車メーカーは、大きな問題は起きないんじゃないか?
と思います。
それに日本では、国土交通相や、東京都などが、
市場に出回っている自動車の抜き打ち検査も行われています。
だから、不正自体が難しい環境。
数年前に、いすゞ社が不正を行っていて摘発された事があるので、
他の各社も、不正を行うリスクが高い事を身にしみているはずです。
クリーンディーゼルは何がクリーン?燃費が良いの?その仕組み!
ディーゼルエンジンって、日本でのイメージとしては、
クリーンではないですよね?
「排気ガスがたくさん出る」
ってイメージが強い人も多いはず。
実際、この印象は間違っていません。
ただ、ガソリン車とは何が違うのか?というと、
「窒素酸化物」「硫黄酸化物」が、
ガソリン車よりも遥かにたくさん出るという事。
この二つの物質は、人体には非常に有害。
だから日本では、印象が良くないんですね。
でも良いところもあるんです。
それは、ガソリン車と比べて、
CO2の排出が少ない、という事。
「じゃあ、排気ガス自体をガソリン車と同じくらいにすれば、
CO2が減るよね!」
って事で開発されたのが、
今話題になっている、クリーンディーゼル車。
ディーゼルエンジンで欧米から大きく離されていた
日本のディーゼル技術ですが、
今回の問題から、大きく注目されて欲しいものです!
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